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片撥[かたばち]

片撥[かたばち]は、片桴[かたばち] とも書き、同義。

もとは、三味線の弾き方から名付けられた流行唄をさしていたことばでしたが、この流行唄は、京都の遊里から始まって、江戸時代、 吉原で流行した、と言われている。

しかし、現代では、この流行唄の曲名として、特定な曲をさしていうことばではなくなり、 邦楽における演奏の技法をさしていうことばとなった。

囃子方[はやしかた]が右手だけで太鼓を打つ技法を指す場合と、三味線の演奏法をさしていう場合とある、とのことで、 三味線の演奏法としては、複雑な技法といえるよう。

例えば、長唄【鷺娘】においては、 クドキのあとにくる「恋に心もうつろいし」の傘尽くし[かさづくし]の華やかな踊りの一節に取り入れられていて、このときは、 三味線の演奏法のひとつとしての、片撥[かたばち]をさす。